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合同⑦
宿泊研修場所は山にある。
自然に触れながら仲間との絆を深めていこう、ていうのが目的だとプリントに書いてあった気がする。
1日目は宿泊所の案内や室内での行事があるのだが、2日目は山へ登ってスタンプラリーをするらしい。
目的地に到着したのかピタリとバスが停まり、クラスメイトがざわつきだしたので目を覚ます。
仮眠だから、そこまで頭がぼぉーとしない。むしろ、頭が冴えてる気もする。
「…タカちゃん」
「あ、篠川起きたのか……よかった、いつもの篠川だな」
タカちゃんへ、もたれかかった身体を起こし目を擦るとタカちゃんは安堵の笑みを浮かべた。
バス乗ってすぐに目を閉じてしまったのでメンバーの最終確認は、またタカちゃんがやってくれたらしい。
さっすが、俺の副班長。
そんなことより…
「“いつもの”?」
「バス乗る前ぼぉーとしてただろ」
「そんなことない」
早起きしてたから俺のコンディションは完璧だったぜ!!!っと親指を誇らしげに立ててアピールしてみた。
それなのに、
「そうか……うん、そうなんだな…わかったわかった」
と、全く信じてない言い方をするからムカついてタカちゃんの腕をつねってやった。
優秀な副班長だけど、班長をもっと敬ってほしいものだ、ふん。
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