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合同⑪

「くっそ、離せーー!嫌だっつってんだろ!?」 と十葉は、じたばた暴れながら引きずられてきた。 目が大きく、ツリ目で健康的な肌色をしている十葉くんは、俺の隣の男子校の花を見ると真っ青になった。 「ひっ…!矢沼……っ、やぁ、久しぶり…だな」 「“矢沼”?」 「ぁ、ちが…れれれ、蓮!!!」 どうして、そんな怯えてんの、十葉くん。 十葉くんが矢沼の名前を呼び直すと、それでいいと言わんばかりに、にんまりと矢沼は笑ってみせた。 「僕寂しかったんだよ〜?2週間前にライン送ったのに返事くれないし」 「あはは…」 「電話したら出ないし…というか、着信拒否してるでしょ、和希〜」 「ぇ…えぇぇえーしてねぇよ…うん、してねぇ!!矢沼の電話の故障だろ、うんうん」 「“蓮”でしょ?」 「蓮!!!」 な…なんなんだ、この子…矢沼の可愛い顔見て、顔を赤らめないの湯田以外にも存在してたんだ…

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