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意味①
ドッジボールが始まり、当てられたり当てたりを繰り返し内野の人数が少なくなってくる中、俺は生き残っていた。
避けるのは天才だからな。狙われても受け止めれるし。
と、自分へ向かってきたボールを難なくキャッチし、相手へ向かって投げた。
だが、俺の投げたボールを後ろにいたはずの湯田が受け取り、なぜか湯田がもう一回投げるということになっていた。
チームワークは最高だな、うん。
湯田は敵チームを倒していってるし、ノープロブレム。
「ごめんな…コイツ、ボール前に飛ばないんだ…」
とタカちゃんが他校の生徒に手を合わせて一言言っていた、恥ずかしい。
それに対し
「あ、いいっすよ〜。んじゃ、ボールとっても投げるのは誰かにやってもらえばいいと思うし」
なんて、優しき他校の爽やかくんが返していた、恥ずかしい。忘れよう、聞かなかったことにしよう。
俺は……投げる!!!
「シノちゃん、もう諦めてボール渡しなー逆にシノちゃんの投げたボールが味方に当たって二次被害だから」
「黙れ、瀬谷」
ハンドボール投げの恨みを今ここで晴らす…!
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