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意味⑩
「ちょっと待ちなよ、雅貴」
「あ?」
「言い逃げは悪い癖だよ〜僕なにも了承してないんだけど」
「……わかった、お前の“頼みごと”何でも聞いてやる」
「…えっ、ほんと!?え、そこまでのことなの!?そんなに大切なこと?」
「大切」
なんの話してるんだろ、幼馴染ってほんとすごいよな…。
「ふ〜〜ん、そっか。じゃあシノ〜、雅貴そっちで寝るらしいからよろしくね〜」
湯田の言い分に納得すると、矢沼は俺を見てにこりと花のように笑って手を振った。
え、俺の部屋で寝るの?ベッドないんだけど。
「湯田こっち来んの?却下した……いたい」
言葉の途中で耳引っ張られた。ひどい、暴力反対。
その後、湯田を連れて俺の部屋へ入れると他のヤツらに反感をかった。嫌われてんな、湯田。
まだ俺のベッドで寝転がっていた瀬谷が湯田によって追い出されたのは言うまでもない。
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