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意味⑫

“意味”なんて……ないほうが、お互いきっと楽なんじゃないの、湯田? ガチャリとドアノブが回る音が聞こえて、湯田は布団に潜り俺の腹にしがみついた。 俺も瞬時に状況を把握し目を閉じる。 懐中電灯の光が顔を照らして眩しさにぐっと、より瞼を閉じた。 …先生の見回り。 他のヤツらは本当に眠ってしまったのかしんと静まり返っていて、俺だけがドキドキしてんのかなって思うと余計に緊張感が走った。 ぺろり。 俺の上にいる物体が器用に俺のTシャツを捲り俺の肌を湿ったなにかで這わせたのを感じた。 なに舐めてんだ、あほ。 「……っ、ぅ…、ん」 その湿ったものが俺の身体を確かめるように上へやって来て、俺の2つの突起の内の1つに狙いを定めて攻められ小さく声が漏れる。 バレたらどうなるか分からない。俺だけじゃない、湯田も先生に怒られるし奇異の目で見られてしまう…と必死になって手で口を押さえて耐えていれば、いつの間にか先生は部屋を出ていっていた。

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