132 / 229
意味⑬
先生がいなくなったのを確認し、俺は腕を大きく動かし湯田の頭があるだろう場所を布団越しに殴る。
すると、ひょこっと湯田が悪そびれもなく布団から顔を出し俺を見つめてきたことにイラつきが止まらない。
「っ…何してんだ湯……んんっ」
なんで今度はキスするんだ、意味分かんね…
しかも、ふにふにと唇を弄んでからの、俺が新鮮な空気を求めて口を開けたのを見計らい、俺の口内に湯田が舌を忍び込ませ口内を弄ぶ。
「ん、ふぅ…はぁ、も…、やだ…んんんっ」
苦しい…っ
呼吸したいのに、どのタイミングで息したらいいのか分かんね…
やだと言っても離してもらえず、エスカレートする行為に俺は口の端からどちらのものか分からない唾液をたらりと零していた。
それを見て
「下手くそだな、シノ」と文句を言いながらも、どこか楽しそうに笑っている湯田が、どこか色っぽくて…
怒ることを一瞬忘れてしまいそうだった。
ともだちにシェアしよう!