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負い目②
「それを決めるのはシノじゃなくて俺だから」
そして「俺はシノだから触れたいって思うんだ」と嬉しい言葉をくれた。
あぁ…湯田は優しい。
そんな優しい湯田は
俺をどこまで知れば、嫌いになってしまうのだろう…。
嬉しいと思いながらも疑ってる俺は、湯田をどこまで信用しているのだろうか…
「ふふ、俺も湯田になら何されてもいい」
「なら、どうしてまだ震えてんの?」
「…湯田に嫌われるのが怖いから」
だって俺…自分が穢れもなく綺麗だって、思えないんだ。
人にはそれぞれ色をもっている、とするのなら、湯田の色を俺が濁らせてしまうんじゃないかって……
ねぇ、湯田
まだ引き返せる距離に俺達はいるのなら、やっぱり湯田は“こちら”に来てはいけなんじゃないかな。
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