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湯田①

湯田side 一目惚れとは、少し違う。 ただ自覚したのはシノの涙を初めて見た時だった。 あまり表情を崩さないシノが窓の外みて、右手でシャツがくしゃくしゃになるくらい胸を押さえて、握りしめて、俯いて… 左手が髪をくしゃりとして目元まで隠してるため、顔が見えない…けれど、シノは… 机にうつ伏せになって眠ってるフリしながらシノばかり見ていたら、先生が俺の頭をポンと軽く叩いて起こしに来た。 そのついでに集中していないシノにも声をかけ、シノの頭と先生の顎がぶつかった。 シノに近づきすぎる先生も悪い、ざまぁみろ。 なんて、小さい嫉妬を先生にぶつけていたことを未来の俺は漸く気付くことになるのだろう。

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