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湯田③

授業が終われば他のヤツがシノを茶化し、シノは作り笑いを浮かべる。 俺らしくない。 女にも、そこまでの執着をしない俺が抱きしめたいだとか触れたいだとか思ってるなんて、おかしい。 男にそんなこと思ってるなんて、おかしい。 理性を働かせて一般論を並べていても、シノが他のヤツをぎゅっと抱き締めるのを見てしまえば、そんなもの意味をなさない。 二人を引き剥がし、シノを奪えば シノから抱きしめられたクラスメイトが青い顔をする。 さっきまで照れてたくせに。触るな、モブが。 バカなシノは席を譲ろうとしたけれど、そうじゃない。 たしかに窓際の席にいればシノは、またなにかを考え始めてしまうのかもしれない。 だったら… シノが苦しくならないように、泣かないように俺がそっと、強く抱き締めて一人じゃないんだと、感じてほしい… なにも考えられないくらい、俺のこと考えればいいのに。

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