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横溢②
天気は少し雲はあるが晴れ。
スタンプラリーが始まると早く終わらせて遊びたいヤツは走って見えなくなっていった。
優勝賞品とかもあるらしいしな。
だけど、のんびりタイプの班は話しながら歩いたり、違う班のヤツと絡んだりする。
正直、うちの学校のヤツらはほぼバラバラだ。
「一緒に回ろう〜ついでに和希を探すの手伝って〜」
花のような笑顔でそう言った矢沼に、ふふっと笑みが零れた。
十葉くんのこと好きだよな、矢沼。
こくりと頷けば、湯田の班と俺の班は合同で回ることになった。
瀬谷は「まれちゃんも!?やったー!回ろうぜー!!」と嬉しそうだ。
まれちゃんとは、矢沼のことらしい。
「矢沼蓮」、「やぬまれん」、間の文字で「まれ」ちゃんなんだとか、ややこしい。
まだ朝早いことから、俺は血圧が上がってこず少しふらつく。
それでも覚醒してるだけえらいけどな!えへんっ!
だから、ゆっくり行ってくれるのはありがたい。
「あー早くゴールしたいやつ居たら先行ってもいいからね」
と、念の為に俺の班のメンバーにいえば、みんな「ゆっくりでいい」らしく、俺達はのんびりゴールを目指した。
遠くで雷が鳴るのを聞こえないままに。
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