152 / 229

お互い様①

あーだこーだで、うちの班と他校の班は仲良くなってて、湯田もあのままちやほやされてて、早く矢沼もどってこないかな…と思っていたら1人の女の子が歩が遅く、ゆっくりゆっくり距離が開いていってるのに気がついた。 「平気?」 「あっ…あの、貧血なだけなので…お気になさらず」 口角を無理やり上げて、ふらふらなのに先に行ってと促す彼女。 作り笑いが自分を見ているようで放っておけなかった。 「気にする。無理しちゃだめ」 「あの…」 膝を屈め、彼女の前に背中を見せ「…きて」とおんぶを促すと顔真っ赤にして「そんなの無理です!悪いです!」と断られた。 …けど、めげない。俺、男だし。 「倒れられたら困るの。だから…君が悪いと思う必要ない」 「…っ」 「おいで」 頼りにならないかもしれないけど、とへらりと笑えば、やっと緊張がとけたのか彼女はおそるおそる俺の肩に手を置いた。 触られるの嫌かもしれないな…と思い、なるべく足は触らないようにしなきゃな…とベタベタ触らないように気を付ける。 「お、重くないですか…?」 「全然。余裕」 クラスでは頼りない扱いを受ける俺だけど、力は人並みにあるし。球技が苦手なだけだし。 と、彼女を背負い歩き始めた。

ともだちにシェアしよう!