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お互い様①
あーだこーだで、うちの班と他校の班は仲良くなってて、湯田もあのままちやほやされてて、早く矢沼もどってこないかな…と思っていたら1人の女の子が歩が遅く、ゆっくりゆっくり距離が開いていってるのに気がついた。
「平気?」
「あっ…あの、貧血なだけなので…お気になさらず」
口角を無理やり上げて、ふらふらなのに先に行ってと促す彼女。
作り笑いが自分を見ているようで放っておけなかった。
「気にする。無理しちゃだめ」
「あの…」
膝を屈め、彼女の前に背中を見せ「…きて」とおんぶを促すと顔真っ赤にして「そんなの無理です!悪いです!」と断られた。
…けど、めげない。俺、男だし。
「倒れられたら困るの。だから…君が悪いと思う必要ない」
「…っ」
「おいで」
頼りにならないかもしれないけど、とへらりと笑えば、やっと緊張がとけたのか彼女はおそるおそる俺の肩に手を置いた。
触られるの嫌かもしれないな…と思い、なるべく足は触らないようにしなきゃな…とベタベタ触らないように気を付ける。
「お、重くないですか…?」
「全然。余裕」
クラスでは頼りない扱いを受ける俺だけど、力は人並みにあるし。球技が苦手なだけだし。
と、彼女を背負い歩き始めた。
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