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お互い様⑦

着替え中、湯田から何度もおさわりを受けたがぺっぺっと手で払いのけて乾いた体操服へ袖を通す。 はあー寒かった。というか、ゴールしてそのままトイレに駆け込んできたもんだから海でも遊べてないじゃん、残念。足くらい浸かりたかった。 「あ、篠川。そろそろバスに乗るから点呼してくれ」 トイレから戻りバスへ向かえばタカちゃんがそう言って何食わぬ顔で迎えてくれた。他のメンバーも同様だ。 「シノちゃんおっせーよ!!」と言いながら班のやつらと笑い合ってる瀬谷に笑みがこぼれる。 点呼して全員いること確認して先生へ報告する。 そんでバスに乗るときに瀬谷が「シノちゃ~~ん!こっちこっち!!」と手招きする席を通りすぎるとタカちゃんが、はあ…と困った顔で荷物を下へ置き席を空けようとしてくれた。 「タカちゃん、いいんだ」 「?」 タカちゃんの席も通りすぎた俺が、気だるそうに窓の外を見ていたソイツの前へ立つとそいつは切れ長の瞳を丸くさせた。 「隣座ってもいい?湯田」

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