大好きだった…初恋だったんだ。 「もともと同級生とうまくいってなくて変えたんです。なので先輩のせいじゃないです」 「…ほんと？」と再確認するように顔を覗きこんできた先輩に「本当です」と答えると分かりやすいくらいに安堵の笑みを浮かべてくれた。 「そっか、だから前に会ったとき同級生に絡まれてたんだな」 そうそう、とにこにこ笑う。 「でも俺との事で色々言われたんじゃないか？」 違う違う。俺の感情が異質だったから言われたんであって先輩自身が言われたんじゃない。だって先輩はちゃんと俺を振ってくれたんだから。 首を横に振って、にこにこ笑う。 「…あの時の"言葉"もほんと？」 言葉…言葉……と悩んでいると中学の時の…と付け加えられ告白の話だと察した。 「…嘘でも本当でも、今となってはどっちでもよくないですか」 口角あげて目を細めて先輩を見つめる。