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平行⑧
結局その喫茶店の数少ないメニューからオムライスを頼み、そこで昼食を済ませたあともたくさん話した。今までの空白を埋めるように。
14時になって漸く話は一段落し、店を出なくてはだなって腰を上げた。
俺はこのあと夕飯の買い出しがあると伝えると「なら、また今度ゆっくり遊ぼうぜ」と言ってくれた。
文化祭も来いよ、って言ってくれたけど正直まだあの学校へ足を踏み入れるのは怖かったりする。
でも、数ヶ月後の自分がどうなってるのかなんて分からないから…行けたらいいな、って思う。
別れ際、先輩の背中に向かってだけど伝えた。
「先輩は今でも憧れの存在です!!」
真正面からは恥ずかしくて言えなかった、ヘタレ。
そんな俺へ笑って手を振ってくれた徹平先輩。
"好き"の返事は……応えてくれたから、俺はもう充分だった。
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