184 / 229

耽溺②

「しかもノコノコ帰るとか…っ、麻婆茄子より雅貴を優先させなよね~」 だから今朝のラブコール出てくれなかったんだ~とか、ずっと舌打ちしてるだとか、八つ当たりされるだとか、喚いている矢沼に、申し訳なさが生まれる。 確かに待てと言われて待たなかったもんな… ちらり、と湯田がいるであろう場所を見れば今も間名くんに絡まれてる。 間名くんとは一瞬だけ目が合い、なんとなくだけど「邪魔しないで」と雰囲気が伝えてくる。 なので、こうして離れて矢沼といるのだが。 「今は間名くんがいて話せないから、またあとで謝る」 「気にせず今行ってきなよ。ついでに雅貴は誰のものかっての見せつけちゃえば?」 うん、湯田は誰のものでもないからな。 …あ、すげぇ密着されてる。あらあら。 困った顔して湯田は、間名くんを見てるけど間名くんは幸せそうで。 湯田と 目が……合わない。 それだけで 焦燥感が走り、邪魔するなって…その牽制に同意したくせに…足がそっちへ向かっていた。

ともだちにシェアしよう!