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耽溺④

「あ、りがと…」 ほんとタカちゃんはヒーローだよな。 まだ止まらない咳をなんとか抑えて礼を言えば、タカちゃんは俺の背中をさすってくれた。 するとタカちゃんは「瀬谷、やりすぎ」と叱っていたが瀬谷は「シノちゃんが運動音痴なのがわりぃ」と言うので 瀬谷の足の脛、蹴りあげてやった。 痛さのあまり水中に沈む瀬谷に「仕返し」とふんっと鼻を鳴らし、体力消耗したのでタカちゃんの胸板にもたれかかる。 体温も水に奪われてく感覚がして、少し寒い。 その間もタカちゃんは背中をさすってくれるので、背中だけすごく温かかった。 瀬谷も溺れたらどうしよう、とか一瞬脳裏に浮かんだが直ぐ様、浮き上がってきて「くぅぅ、やったなシノちゃん~」と悔しがってたので、大丈夫みたいだった。

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