196 / 229
遊戯③
何人かの他人に、見られたと思うんだが。
「湯田、そういうの俺にするのは間違ってると思う」
「キスは、したいヤツとするものだけど?」
さも当然、という顔で俺を見つめてきた湯田に困ったように笑う。
そうじゃなくて…そうじゃなくて……
むーと黙りこくった俺を湯田は勝ち気に見下してきていた。まるで、湯田を思っての言葉を紡ぐ俺がバカみたいだというように。
「まぁまぁ。ノロケてないで、シノも揃ったし行こっか~」
さっきまでぷりぷり怒っていたはずの矢沼は、いつのまにか機嫌を取り戻しにこにこと花の笑顔を俺に向けた。
あぁ…かわいい、休日にも拝めるなんて癒しでしかない。
しけた面してないで機嫌を直さなくっちゃな
だって今日は四人で遊園地へ行くのだから。
ともだちにシェアしよう!