「そりゃあね。学校の花だよ、矢沼は」 ちなみに湯田もモテるようになってしまった、最強幼馴染だよな、むかつくぜ！ 「はは、やっぱそうなんだ！中学共学だったんだけどな、湯田も蓮もすげぇ人気だったんだぜ！？男女ともに、いつも周りに誰かがいた」 俺もその大勢の中の一人だったんだ、と誇らしげに言う十葉くん。 矢沼と湯田が人気者っていうのはだいたい想像していた通りで、だろうなーとは思ってたから、そこまで驚きはしなかった。 湯田は中学の時は同中の子はもちろん、例のお嬢様学校の子たちと付き合っては別れを繰り返していたらしい。 モテモテライフ済みかよ、あとで「湯田のばーか」って言ってあっかんべーして触ろうものならその手に、かぶり付いてやろうか。 そんな湯田とは裏腹に、矢沼は誰の好意も受け取らなかったらしい。