201 / 229

遊戯⑧

「俺、蓮のこと…いつの間にか好きになってて…いや、決定的な出来事があったんだけど!!まぁ、その…好きだなって自覚して」 「うん」 なんかわかる気がする。俺も先輩好きになったのいつだ?って思うくらい曖昧。一目惚れだと思ってるけど、憧れからだんだん…だったのかもしれない。…いや、一目惚れか、うん俺は一目惚れだったと思ってる。 「蓮もそれを受け入れてくれた」 「え、まじか。十葉くんすごい、おめでとう」 俺なんて玉砕よ?身近にこうも上手くいく恋があるだなんて、同性と。 そこまでは頬を赤らめて嬉しそうに、どこか楽しそうに話していた十葉くんだったが、だんだん話すスピードが遅く重くなっていくのを感じた。 「でも蓮にとっての"いちばん"って、」 そのとき、複数人の女の子たちの黄色い声で十葉くんは言葉を止め、俺はその方向を振り向いた。

ともだちにシェアしよう!