これは、単なる俺の願望だけどね。 「俺からしてみれば湯田の気持ちが別を向いてるから蓮が渋々諦めてるとしか思えないんだけど」 「…」 「…なぁーんて！思い出したらキリがなくて離れたのに、こうも蓮に会っちゃうと……しんどいんだよ俺は」 十葉くんは目頭を押さえて涙を止めるが、ほんのり目元は赤い。 …疑いだしたらキリがないもんな。 「おっまたせ～……なになに、またイチャついてるわけ？」 むすっと、ほっぺた膨らます矢沼を見て「ち、ちがうからね矢沼…」と誤解を解こうとすれば十葉くんのほうから離れてくれた。 肩が軽くなったけど、十葉くん不完全燃焼でしょ絶対。 気にかけて二人を見守るも湯田が後ろからガバッと覆い被さり「疲れた…」と全体重を俺に預けてくるものだから、俺は身動きがとれない。 なーにが疲れただ、タラシめ。 その腕に歯形つけてマーキングしてやろうか、キッ！