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琴線②

湯田は黙ったまま二人の会話を聞いているけど、このままでいいのか?湯田は乗りたがらない派だと思ってた。 「だいじょ~ぶ。僕がずっと手を繋いでてあげるから」 「そっ!そういう問題じゃなくて!!!…ちょ、蓮!?」 十葉くんの答えを聞かずに矢沼は十葉くんの手をとって観覧車まで走り出した。それに十葉くんは引っ張られるように着いていく。 そのあとを、ゆっくりと俺と湯田は追いかけたけど矢沼は言った。 「いつ誰が4人で乗るなんて言った?」 それは十葉くんへ言ってるはずなのに、なぜだか俺たちにも強調して言われた気がした。まるで、牽制のように。 「邪魔しないでね~シノでも容赦しないよ♪」 と口角上げているが目が笑っていない矢沼にピシリと背中に寒気が走った。 ……怒ってる、矢沼? これで二人きりになれる、そう小さく呟いて矢沼は十葉くんと観覧車に乗っていった。

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