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楽園①
夏休みは1ヶ月もあったはずなのに、のんびりすやすやしていたら、いつの間にやら終わってしまった。
まあ、宿題は夏休みが終わる一週間前に終わらせたんだけど。胸張って弟の観月に報告すると俺のも手伝えって半泣きだったが拒否してやった。
自分でやらないと意味ないからな。だから読書感想文だけ手伝った、ドリルは頑張れよな!
そして俺はというと、遊園地デートのあと顔が真っ赤な十葉くんと念願の連絡先交換したわけだ。
矢沼からは黒い笑みを向けられたが気にしてられない。そのおかげで、毎日のように十葉くんから連絡くるし、あ、矢沼には内緒なんだけどな。
ブブブ…とまたスマホが震え確認すると、やっぱり十葉くんでふふっと笑みが溢れる。
それを後ろから俺を抱き締めていた湯田が覗き込んでくる。
今は始業式も終わり、通常授業間の休み時間である。
最近は湯田の席に俺がお邪魔して、湯田の上に座る。行かなければ湯田から誘ってくる。
そんな堂々とした態度に頻度が増したのは、遊園地の出来事があったからに違いなかった。
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