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軋轢⑦

「いたいた。巳継ー」 聞き慣れた声に振り返ると朝先に出ていった弟が俺へ満面の笑みで手を振っていた。 観月だけならまだよかったのに後ろからぞろぞろ同じ制服きた女子やら私服のお姉様が付いてきていて、眉間に皺が寄る。 まぶしいな、おい… 俺にもそのキラキラよこせ、リア充め。 「観月…」 そして頼むから抱きつかないでくれ、と言いたいのに弟の胸元に顔が埋まり息ができず、そんな言葉は、顔が埋まってしまった俺の唸り声へと変わるだけだった。 「俺のクラスのカフェ奥にあるから早く来てほしくて迎えに来たんだけど。休憩は昼からだからその時一緒に…あぁ、どうも」 「どうも」 俺へすりすり頬っぺた擦り寄せてきたかと思えば、今やっと気づきましたと言わんばかりに湯田を見て一礼する。そんな弟の失礼な態度に、湯田はあまり気にした様子はなく挨拶を交わしたのだが、その後の観月の発言にぴくりと眉をしかめることとなる。 「あんた、きっと……絶対、湯田って人でしょ」 「はあ?なんで知ってんの。ていうか、お前…誰なわけ?」 「巳継から、ね…?俺が誰か分からないんだ?巳継教えてないの?俺たちのカンケイ」 いやいや、兄弟だろうが!!!!

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