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憧憬③
「〜〜っ、なーにが、違うんだ篠川?」
「…っ!!!」
真上から急に声をかけられて俯いていた顔を勢いよく上げた。
その瞬間、後頭部に激痛が走り涙がでた。
これは叩かれたのではない。
俺の後頭部と先生の顎が、ごっつんこ、したのだ。そんな可愛らしいものではないけど、てへ。
「せ、先生…すみませ…てへ」
「お前な〜!!顎が割れたらどうしてくれんだ」
「いや、先生もう顎割れてるから大丈夫ですよ」
割れる顎はない!だから俺の後頭部の心配してくれよな、先生。てか、先生が俺に近寄りすぎたから、ぶつかったのでは?なーんて合理化してみる。
だがしかし、俺のフォローは逆に先生を怒らせてしまったらしい。
放課後に雑用を頼まれてしまった。あと、今日の最後の授業である体育で居残って倉庫の掃除もしとけって言われてしまった。
…泣ける。
振り向いた矢沼には、また「バカだねシノ〜」と笑われた。寝てたんじゃないのかよ、可愛いな抱き着きたい。
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