12 / 229
罰①
休み時間にクラスのヤツがやってきて大丈夫か〜?って笑いながら言ってきた時には涙は止まっていた。
かっこわる。
声を出すほど泣いてはなかったけど、涙だけぽろぽろ出る感じ。
あの先生、許すまじ。
頭の細胞、死んだらどうしてくれるんだ、こら!
「シノちゃん泣きすぎてて笑ったわー」
「笑うな!あと、ちゃん付けすんなバカ!」
「えーシノちゃんって呼ぶの可愛くない?」
「やだ、もっかい泣くぞ」
そんで、もっかい矢沼によしよししてもらうからな。おまけにハグもしてもらうからな。どうだ、うらやましいだろ、へへーんだっ。
「もっかい泣くなら俺の胸で泣け」
なーんてな、と笑いながら言ったクラスメイトに、また違うクラスメイトが、ひゅー男前〜だとか、かっこつけてんじゃねーよと野次を飛ばす。
ふん、乗ってやろーじゃねーか。
ぎゅっ。
と真正面から抱きしめてみた。この時俺は自分の席に座っていて相手は立っていたからお腹辺りに腕を回す。
「んー香水臭い…」
ふん、どうだ!どんだけ気持ち悪いか分かったかバカめ。
ともだちにシェアしよう!