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罰③
泣きそうになりながらも、もう一度「ごめんなさい」と謝って湯田を見つめる。
すると、くいっと手を引っ張られて立ち上がらせられた。
「殴んないで」
「違う」
え、なに…殴らないの?と身構えを解いたら俺の席に湯田が座る。
あー…なるほど。
「席替え?窓際は快適だもんな!」
先生には怒られそうだけど今は湯田の機嫌取りが第一優先。
窓際で外見るの好きだけど、仕方ないな!
と、思ったらまた
「違う」と言われた。しかも「バカか、お前は」と付け加えられた。
バカなのは自覚してるし!
べつに怒ったりはしないけど…しないけど…
「矢沼の後ろがいいって素直になればいいのに、ツンデレめ」
ぼそりと呟いてみる。ツンデレ湯田め。
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