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相似③
なんで話したこともない相手に着替えさせられてんだ。
体操服は着られたけど足すーすーするし。パンツしか履いてないもんな、バカか。
「ご、ごめん…」
あぁぁ…恥ずかしい。
矢沼になら友達だから甘えられるけどさ。入学して間もないのに、こんな形で高城と初めての会話済ませちゃったよ…はぁ。
涙でてくるぜ、ちくしょう。
「いや…俺は気にしてないから、篠川」
「高城……うおっ」
なんて優しいクラスメイトだ。なんて、尊敬の眼差しで相手を見ていると顔に体操ズボン投げられた。
痛くないけどな、ふん。
ちらりと投げられた方向を見ると湯田がお怒りだった。
早く着替えなきゃ体育間に合わないけどさ?そんな怒んなくても…
投げられたズボン履いて高城に「ありがとうな」とだけ告げて湯田と矢沼の方へ行く。
「遅い」
「だって矢沼がー」
「え〜?シノがバカだから僕とタカちゃんを間違えるんでしょ〜」
タカちゃんって誰だよ…もしかして高城?
「タカちゃんって高城?なんか可愛いな、俺もそう呼ぼっかな」
「うんうん〜呼んであげなよ♪きっと喜ぶよ〜」
と、わいわい話していると湯田が深く溜息を吐いた。…気にしないけどな!
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