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相似⑭
ゴールした二人へ1番に駆け寄ったのは、矢沼だった。
「おつかれ〜タカちゃん、さっきよりタイム伸びたんじゃない?」
「…はぁっ、はぁ…そりゃ湯田追いかけるのに必死だったからな…はぁ…悔しいー」
そう言うと高城はタイムを紙に書きに行った。
そんな高城に俺も「速かったな、おつかれ」と声をかけて矢沼と湯田のほうへ向かった。
「それにしてもビックリしたよ〜?久しぶりに見たかも、雅貴が本気で走るところ〜かっこよかったよ〜」
「あっそ」
「うんうん〜♪なんで本気で走ったの?かっこつけたかったのかな〜それは誰に?誰にアピール〜?」
「うるさい黙れ」
にやにやと。矢沼が湯田へ抱きつきながら茶化してる。
それに対して矢沼をすごい形相で睨む湯田。
「おつかれ」
まさか湯田は陸上部だったのかな。…なーんて。
「見てたか?」
俺の声に気づき、さっきの走りを見ていたかと尋ねてくる湯田。
「見た見た」
「どうだった?」
どうって…、どうって……
「湯田の走り方、嫌いだ」
何も考えず言葉を紡いだ。
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