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相似⑯
仕方なく目の前の湯田を見つめる。そんな俺のことも湯田は無言で、じーと見つめていた。
あぁーやっぱり湯田は目が大きいな…睫毛も長くない?
すげー、男前じゃん。俺もその目がほしいなー、そうすればモテモテになれるのかな。俺もモテモテライフ送りたい…。
ぼーと湯田のことを考える。それと同時に息を吸ってゆっくり吐く、鼓動を落ち着かせるように。
…あぁ、よかった。
湯田の顔見てたら熱が冷めてく感じがする。
「…そろそろ離せ、痛い」
顎がねじれるだろうが、バカ。
「? あれ〜普段のシノに戻っちゃった…雅貴にドキドキしたのかと思ったのに〜」
なんだよ、普段のって。
「湯田の顔見てドキドキもクソもあるか」
見慣れてるっつの。
ふんっと、そっぽを向けば
つむじを殴られた、もちろん湯田に。
痛い…暴力反対なんだけど。
知ってる?つむじのあるところ下痢ツボなんだぜ?下痢になったらどうしてくれるんだ、湯田のバカ、ハゲてしまえばいいのに。
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