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面影③
「ははっ、まじか!見ない顔だから1年だろ、お前?入学して間もないのに居眠りとは度胸あんねー」
俺だけじゃないし、みんなちらほら寝てるし。湯田なんて昼に登校してくるときあるし。
「俺、これでも優等生です」
と、思ってる。
「自分で言っちゃう時点で怪しいよな」
ううぅっ、確かに…
誰も褒めてくんないから自分で褒めるスタンス、へへーんだっ。
それにしても道具取りに来たのか、なんなのか、その先輩らしき人がじっと立って倉庫から去っていく様子が見られないので首を傾げた。
「あの…戻らないんですか?」
ここにいたって部活できないんじゃないのかな、それとも俺に話があるのかな。
「お前、名前は?…湯田?」
ジャージの胸らへんに書かれた名字を見て尋ねてくる先輩に首を横に振る。
その時バッと目の前まで近づいてきた先輩にビックリしてホウキで壁を作る。
けど、こんなボロいホウキではガードにはならなかった、くそぅ。
「篠川巳継、です」
「ふーん、そうなんだ」
さらに顔を近づけられて、警戒心むき出しで睨みつけた。
お前は名乗んないのかよ、こら!
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