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印②

「背中打ったから、それで赤いのかも。痛かった…」 先輩が守ってくれなかったら後頭部も危なかったな。お礼がしたい。けど名前知らないや… 「アイツ誰?シノの知り合い?」 「え…」 「アイツに何されたの、変なことされてない?」 質問攻め…! いつも、そんなに喋らないくせに!! ぎゅっと優しく抱きしめられ、俺は湯田に心配をかけたのだと知る。 「たぶん先輩のはず…名前聞きそびれたんだ。俺が転けそうになったのを助けてくれたヒーローだから何もされてないよ?」 でも… 「湯田は心配してくれたんだよな?…ありがとう」 こんなバカでドジな俺を心配してくれるだなんて、“先輩”しかいないと思ってたけど……そんなこと、なかったのかな。 苦しかったあの頃が報われるほど、なんか今が幸せかも。 ここの学校きて、よかった。 俺を抱きしめる湯田の手を握って、振り返り、きちんと目を見て自然と微笑んでお礼を言った。

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