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休日⑤
味噌汁と卵焼きつくって…さみしいからウインナーも焼いてやる。家庭的だな、俺。
皿を机に並べてるとお茶の準備をしてくれる弟。
「巳継」
「ん?」
「そっちの学校、楽しい?湯田ってやつに嫌な事は本当にされてないんだよな?」
確認するように聞いてくる観月に、こくりと頷く。
「湯田は友達。俺は楽しくやってる、だから…」
お前は俺のことばっか気にしてないで、自分のことだけを考えてればいいんだからな…
その言葉は観月が俺の頭をガシガシと撫でたことにより紡げなかった。
…背ぇ高いからって兄を見下してんなよ、ブラコンめ。
椅子に座り観月も座ったのを確認すると手を合わせて「いただきます」して食べ始めた。
「巳継がそっちでうまくやってるなら、よかった」
「お前はどうなんだよ?」
観月は俺の通っていた中高一貫校に通っている。つまり、“あの噂”が観月の学年にまでまわっていたなら、観月だって被害者になりかねない。
ホモの弟、だとか…ね。
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