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休日⑦
だが、俺の居場所なんて先輩に分かるはずない……
「…俺の通ってる学校、教えた?」
「聞かれたけど教えてない、もちろん住所も。巳継を傷付けたヤツかと思って何も答えなかった」
そう言った観月に「ありがとう」と礼を言って、ほっと息を吐く。
「でも巳継に危害を加えたヤツじゃないなら、教えたほうが良かった?」
「いや!!教えなくていい!!ありがとうな〜弟よ!」
もしも“あの噂”を知られていないなら、弟は俺と先輩のことを知らない。
ただ、傷だらけになって帰ってきた俺を見て、いじめられていたとは理解してる。
理由を聞かれたけど、本当の理由はいえなくて分からないと誤魔化した。
もう、終わりにしたはずなのに。
想いが俺を縛るように
過去も、俺を縛りつけて離してくれない。
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