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逃げられない⑨

俺だって身長は伸びた。声だって変わった。 それなのに目の前のあの人は俺より身長が伸びて俺を見下ろしている。 声は低く掠れて……でも不快ってわけじゃなくて、あぁ…低くなってもかっこいいなって、改めて思ったんだ。 変わらない猫のようなツリ目は、俺をまっすぐ捉えてて…目が逸らせなくて…自分の瞳が揺れるのを感じる。 「な、んで…ここ…に…」 あぁ…やば。声が震えてる。 「先生から聞いた。仲が良かったって言ったらここにいるって」 住所は教えてもらえなかったけど、と先輩は俺の手首を握る手を強めて言った。 先生…なんてことを… はあ…と先輩には気づかれないように溜息を吐いて、やっとのことで目を逸らして俯く。 「話したい」 「嫌だ!!……です」 やばいやばい。感情的になりすぎて敬語使えないとか、もう…俺の頭の中…パンクしそう…っ

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