89 / 229

急展開④

やっぱり、俺は… 「…先輩」 「巳継?」 「…会うの、やめましょう?」 へらりと。力なく笑った。それが精一杯の笑顔だった。 あいつらに聞こえないようにこっそりと告げた。俺はまた、逃げたんだ。 「ファミレスから出てきたってことは解散なんだよな?篠川ーちょっと一緒に話さねえ?」 「いいねっ!!新しい学校ではどうしてるのか心配だったしなークラスメイトとして」 そんなことを言いながら肩に触れられてビクッと震えてしまったが拒絶することもできず、されるがまま。 足が固まって動かない… こわい。 反抗して、これ以上の罵声を友人や先輩の前で浴びせられたら俺は耐えられそうにない。 それなら、誰もいないところで前のように蹴られたりされるほうが…マシなのかもしれない。 「…」 「篠川ー?……何も言わないのはオッケーってことでいいの?なら行こうぜ」 肩に腕を回されて密着される。 せっかく友達できたのに、最悪… 目の前が一気に真っ暗になっていった。

ともだちにシェアしよう!