97 / 229

狼狽⑦

ふと周りを見るとクラスのヤツもにやにや俺らを見ていて、先生は溜息を吐いていた。 「こほんっ、話を聞いていなかったならいなかったで先生は困らないからな。以上のことに何か意見はないかー?」 以上のことってなんだ…? 「「ないでーーす」」 クラスメイトの返事もいいかんじ。え、なに、こんなに一致団結したの初めてじゃね? 「うん、では選ばれたヤツはグループの班長だからな、頑張れよ!!篠川と湯田も班長に抜擢されてるぞー。二人に関しては拒否権はないからなー、これからは…先生の話を聞こうな♡」 いや、語尾かわいくしたって、おっさんだし。俺たちが班長ってことを覆すことは叶わないっぽいし。もう仕方ない感じじゃないですか…。 「めんどくさ。俺、パス」 と、言った湯田に対してクラスのヤツは「だめに決まってんだろ」だとか「シノちゃん独り占めすんのが悪いんだ!」とか色々言ってたような気がするけど 俺は班長がどんな仕事するのか分からなくて、プリントの班長の役割という欄を必死に読んでいたので、周りなんて気にしてなかった。

ともだちにシェアしよう!