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暴露③

矢沼の顔が見られなくなって俯いてたら、頬に優しく矢沼の手が添えられて上を向かされた。 自然と目が合う矢沼には、さっきの余裕で悪戯な笑みはなく、ただ困ったように眉を下げ俺を見つめていた。 「ふふっ、ごめんねシノ。冗談だよ?だから、そんな泣きそうな顔しないで」 「え…」 俺、泣きそうな顔…してた? 「シノは正直でバカでかわいいね。そんなところが僕は好きだよ?」 「バカにすんな。矢沼にかわいいなんて言われたって嬉しくない」 「ふふっ♪ちょっとだけシノの心が知りたかったんだ〜。シノ勘違いしてるみたいだけど、僕は雅貴に恋愛感情もってないからね」 そんなの… 「嘘だ」 「嘘じゃないんだな〜これが。ちなみに僕、恋人いるから」 突然の矢沼の告白に、目玉が飛び出るかと思った。 「えっ」 いつから?え、だれ…湯田? 「ふふ〜ん驚いた?しかも同性だから…シノと一緒」 だから、アイツ等がシノへ言った暴言は僕も一緒に言われたものだからね、大丈夫…シノだけじゃない、僕もいるから。なんて、急に真面目な顔して抱き締められた時には、どうしようかと思った。 矢沼の恋人が同性っていうのにも驚きだし、俺に優しい言葉かけてくれて泣きそうだし……なんだこれ、心が温かい。 「矢沼の好きな人って湯田じゃないの?」 「だから違うってば〜!でも、僕のこと知りたいなら、今度はシノが僕に色々相談してからね」 ウインクしてギブアンドテイク♪っていう矢沼は、ほんとうに一輪の花がパァッと咲いたように綺麗で、温かくて……俺の闇を照らす光のようだった。

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