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第12話

 その日から、佐川は毎晩、駅前で神坂を待ち伏せするようになった。  付きまとう人間が、いったいどこで彼に近づくのかはわからないけれど、最寄り駅から家までは数分の距離だ。その道は、明るくはないけれど人通りも多いので、トラブルに巻き込まれることも少ないだろう。駅まで無事に帰って来たことを確認できれば、多少は安心できる。  神坂の通常の行動パターンなら、駅に着くのは九時から十時の間で、それより早いということは考えにくい。佐川はバイト先の先輩二人に頼み込んで、九時前には仕事を上がらせてもらうことになった。無口で無愛想な内藤も、別件のバイトを夜に始めたとかなんとかで、佐川のチーム三人は主に夕方までの引越しに当たることになった。幸い佐川の大学は休みに入るので、本業にも支障はない。  毎晩バイトが終わると、急いで駅まで自転車で走る。バイトがない日は、時間を見計らって駅まで出かける。改札から吐き出される人たちの中に神坂の姿を確認し、彼が家のほうへ向かって歩いていく背中が見えなくなるまで見送る。  愛車に跨り、いざとなれば駆けつけられるように程ほどに緊張感を持って、神坂に異状がないか、不自然に彼を追いかける人間がいないかを注意しながら、神坂が去っていくのを見つめる。  明るいところにいて、神坂に見つかってしまうと困るので、駅前の駐輪場の物陰に立っている佐川は、明らかに不審だけれど本人は気づいていない。  そして神坂の無事を確認できると、自己満足だとは知りながらも佐川は安堵の白い息を吐いて、駅の反対側にあるマンスリーマンションへと帰る。それがもう、数週間続いていた。土日は、行動パターンが読めない上にバイトの融通も利かないので、内心不安を抱えながら過ごし、月曜日の夜に彼の姿を見ることで落ち着くことの繰り返しだ。  ある日、神坂が駅から出てこなかった。  佐川は腕時計で時間を確認し、携帯電話で確認し、駅前のシンボルのような時計台でも確認した。すでに十時半だ。残業だろうか?もう少し様子を見よう。佐川はそのまま神坂が現れるのを待ち続けた。電車が着くたびに吐き出される人も徐々に減り、日付が変わろうとしている。  佐川は動揺し、神坂に連絡を取ろうかとポケットの中の携帯電話を握り締める。だけど、なんと言うのか?すでに彼と疎遠になった佐川が、「今どこ?」などと、気安く電話などできない。焦る自分に落ち着けと言い聞かせる。誰かと飲みに行ってるかもしれないし、ただの大残業かもしれない。ひょっとしたら、神坂の姿を見逃しただけで、とっくに家に帰っているのかもしれない。どこかへ出かけていて、タクシーで帰宅したのかもしれない。  それとも、何かあったのだろうか?  佐川は自分の動悸が早まるのを感じた。  このままでは心臓が止まってしまう。どれだけひどい対応を受けても、神坂の無事を確認できればいい。そう決心して、佐川は分厚い手袋を外すと、携帯電話を取り出して、消すことのできない神坂の連絡先を呼び出した。 「お前、どんだけ暇なの?」 「っ!!!」  今まさに、発信の文字をタップしようとした矢先に、背後からものすごく低くて不機嫌そうな声が聞こえた。音がしそうなほどすばやく振り向くと、冷ややかな目をした神坂が立っていた。 「か、みさかさ……」 「毎晩毎晩、暗がりで何コソコソやってんだ」 「えぇっ……と……」  佐川は突然現れた神坂の姿に動揺し、慌てて言い訳を探す。まさか、毎日の待ち伏せが知られていたとは思わなかった。  そんな佐川の様子を、神坂は黙って睨み付けている。 「えーっと……あ!飯に誘おうと思いました。そうだそうだ」 「……」 「お礼の意味を込めて、俺がご馳走とかしたいなーって」 「……」 「あの、連れて行ってもらってたような高い店は無理ですけど」 「……」 「……」 「今から?」 「………………開いてませんよね」  佐川はついさっきまで愚かしいほど確認し続けていた時間を思い出す。一体誰がこんな夜更けに、逃げ出した卑怯者と飯を食うというのだ。  相対してさらに強く睨まれて、佐川はそれ以上言葉が繋げずに黙り込む。そして神坂を見つめながら、とにかく無事で良かったと心底思った。 「……っくしゅん!」  神坂がくしゃみをした。それがまた可愛いくしゃみで、佐川は動揺してしまった。彼の自慰を思い出してしまったからだ。あの時の、甘いような声が脳裏に蘇る。  さらに焦りを募らせて、わけがわからなくなり、それでも佐川は神坂の体調が気になって、彼の手から鞄を奪い取っていた。 「何をする気だ」 「送ります」 「は!?」 「送ります。風邪ひいてますよね。すみませんでした」 「お前に謝られることじゃないし、別に風邪を引いてるわけじゃない。もしそうだとしても、僕は女じゃない。お前に送ってもらう必要なんかない」  佐川は神坂の抗議を聞き流して、彼の鞄を抱えたまま器用にマウンテンバイクを降りると、ハンドルの真ん中を片手で掴んで歩き出す。神坂の舌打ちが後ろから聞こえてきたけれど、どんどん進んで行く佐川に、しばらくしてから追いついてきた。横に並ぶこともなく、背後から神坂の低い声が突き刺さる。 「お前、何がしたいわけ?」 「……すみませんでした。勝手ですけど、ちょっと気になって、でも連絡するのも」 「もう、僕に構うな」 「……すみません」  構っているわけではないが、毎晩毎晩待ち伏せしているのだから、さらにタチが悪いだろう。返す言葉もなく、相変わらず持ち重りのする鞄の感触を懐かしく思いながら、佐川は歩き慣れた道を進んだ。  神坂が自分を疎ましく思っているのは百も承知だ。神坂は毎晩不審な行動をとっている佐川に声を掛けるために、多分いつもと違う出口から出て、待ち伏せしている佐川の後ろに回り込み、観察していたのだろう。  一体いつから?今日は本当に寒くて、神坂の頬はいつも以上に青白くて、佐川は申し訳なさを募らせる。せめて重い鞄だけでも運ばせて欲しかった。神坂がそれを望まないとしても、何か罪滅ぼしがしたかったのだ。  自分が何をしても、結局神坂に迷惑がかかる。もう、言われた通り、何もかも忘れて、彼の視界に入らないように生きていかなければならない。  佐川はそれが悲しくて、思い切れなくて、マンションに着いても鞄を渡せなかった。自転車をエントランスの中に立て掛けると、神坂が何も言わないのをいいことにエレベータのボタンを押した。すぐに開いたドアを押さえて、ようやく神坂を振り返る。 「……送ります」  神坂は無言で佐川の横をすり抜けて、エレベータに乗り込んだ。彼の後に続いて佐川も乗り、階ボタンを押すと、かすかな音とともにドアが閉まって密室になる。静寂を壊さないように知らずに息を止める。エレベータは、高層マンションに相応しい速度でその静寂を終わらせた。  佐川は開いたドアを押さえて身体をずらす。腕組みをして奥の壁にもたれていた神坂が、身体を起こして、またしても無言のまま、佐川の前を通って降りて行く。佐川はその後を追う。  神坂は自分の家のドアの前で立ち止まり、ようやく佐川を見た。 「鍵」  短く冷たく、神坂は佐川に言葉を投げつける。鞄を返せということだろう。持ち手を握る力を強めても、この鞄は神坂のものだ。佐川は感触を惜しむように指先で艶やかな革を撫で、鞄の両側を両手で持ち直して、神坂が持ち手を掴めるようにして差し出した。  神坂は不満げに鼻を鳴らすと、佐川に鞄を持たせたまま、かたい音を立ててバックルを外し、中からキーケースだけを取り出す。  パタリと鞄を閉じると、神坂はドアの鍵を開け、何も言わずに中へ入った。  佐川は鞄を捧げ持ったまま、それを見ていて、一拍遅れて後を追う。ほとんど閉まっていたドアの隙間に指を入れ、遠慮がちに引けば、神坂がいつも通り、上がり框に腰を下ろして靴紐を解いている。それを正面から見るのは初めてだった。佐川はどうしていいかわからず、とりあえずドアを背中で閉めて、鞄を胸に抱いてぼんやりしていた。自分は一体、何をしているんだろう?  神坂は左右の靴紐を解き終えて、それでもそこに座っていた。自分の靴を見つめて俯き加減の彼は、長いまつ毛と細い鼻梁が際立って、元来の顔の作りの美しさを思い知る。  佐川が彼の顔に見とれていると、神坂が佐川を見上げた。  佐川も彼の綺麗な目をじっと見つめる。 「僕はお前が好きだ」  まっすぐに佐川の目を見て、神坂が口にした言葉は意外なものだった。  意外すぎて、佐川は完全に固まった。  固まった佐川を、神坂はしばらく見ていたけれど、小さく息をついて靴から足を抜き、立ち上がって家の中へ入ってしまった。その辺りでようやく、佐川の金縛りが解ける。 「……え?」  それでも、そんな間抜けな声を漏らすのが精一杯で、そんな佐川を肩越しに一瞬振り返り、神坂はリビングへ向かった。遠ざかる薄い背中に、佐川はハッと我に返ると、慌てて踵をこすり合わせるようにしてスニーカーを脱ぎ散らかし、つんのめりそうになりながら神坂を追う。框に足を掛けたところで、神坂の声が飛んできた。 「鍵」 「え?鍵はさっき……」  ああ、締めろということか。佐川は脱いだばかりの自分のスニーカーを踏み、腕を伸ばして玄関の鍵を締めてバーを倒す。そしてずれた眼鏡のブリッジを押し上げながら、改めて彼を追った。リビングにいると思った神坂はそこにはおらず、足早に彼の自室へ向かう。その佐川の足元は、無意識に突っかけた佐川専用のスリッパだ。神坂が一緒に暮らしていた頃に用意してくれたもので、柔らかくて暖かい。 「あの」  神坂は自室で、コートを脱いでいた。一本の廊下の、共有スペース寄りに佐川の使っていた部屋があるので、入るなと言われた神坂の部屋は、覗くことはおろか、その前に立つことさえほとんどなかった。いつも閉じられていたドアが開いていて、自分は入ってもいいのかの判断がつかず、佐川は入り口に立ち尽くす。  初めて見た彼の寝室は広く、彼の好きそうな、落ち着いた柔らかい色彩でまとまっている。佐川が使っていた大きなベッドよりももう少し大きいベッドと、一人掛け用のソファとテレビがあり、神坂が消え、戻ってきたドアの向こうは収納部屋に繋がっているのだろう。彼の手に、コートはもうなかった。 「神坂さん」 「なんだ」 「俺もあなたが好きです」 「……あっそ」  興味なさそうな素っ気なさで、神坂はジャケットを脱いで、持っていたハンガーにかけるとそれを片手で持ち上げて、手早くブラシを当て始める。佐川は思い切って部屋に足を踏み入れて、そのハンガーを持った。一瞬触れ合った指に心臓が跳ねる。緊張と、興奮。触るなと怒られないだろうか。構うなと拒まれないだろうか。何を言われても、もう二度と、引かない。  神坂は佐川を見上げて、何も言わずにハンガーから手を離し、佐川に持たせたまま丁寧にブラッシングを続けた。  佐川は彼のつむじが二つあることを知り、熱心にそれを見つめていた。  細い首に絶妙に沿うシャツの襟元の隙間の肌の白さを、右の耳たぶにある小さなホクロを、世紀の大発見のようにドキドキしながら、穴があくほど見つめていた。  ずれてもいない眼鏡を何度も押し上げて、かわいい神坂をじっと見つめる。そう、佐川はこの時、心底神坂をかわいいと思っていた。 「貸せ」 「はい」  佐川からハンガーに掛かったジャケットを受け取り、神坂は部屋の角に置いてあるハンガー掛けにそれを吊るし、ブラシも一緒にそこに置き、くるりと振り返って腕を組んで佐川を見た。  佐川は彼の鞄を、ぎゅうっと抱きしめ直す。返さない訳にはいかない。 「鞄は、返しますね」 「ああ」 「でも、これを運ぶのは、俺ですから」 「……好きにすれば」 「はい。好きだから、好きにしたいです」  神坂がくれた、好きだという言葉は、ここのところの佐川のモヤモヤをいっぺんに吹き飛ばしてくれた。好きだったのだ、自分も神坂を。だからだんだん辛くなって、わけもわからず逃げてしまった。自慰をする彼の頭の中にいる誰かが気になって、耐えられなかった。彼は自分を見てくれず、過去の誰かを思っているのだと考えたら苦しかった。  逃げた自分はどれほど彼を傷つけただろうか。それだけが佐川の気がかりだった。 「神坂さん」 「なに」 「俺をここに置いてください」 「……」  神坂は腕を組んだまま、白けたような表情で視線を逸らした。佐川はぐっと腹に力を入れて、彼の横顔を見つめ、大きく頭を下げた。 「掃除も洗濯も片付けもします。もちろん買い物もします。でも、その、アレは、付き合えません」 「……」 「もう二度と、逃げません。だから、勝手ですけど、俺をもう一度ここに置いてください。お願いします」 「……好きにすれば」  神坂の口癖のような台詞は、了承だ。佐川はそれを聞いて嬉しくて、鞄を抱く腕が震えた。同じ轍は二度と踏まない。自分は、神坂を選んでここにいるのだ。神坂に選ばれたくて、ここにいたいのだ。 「俺が払える金は高が知れていて、家賃を折半はできません。何か他に、できることがあればします。あなたと、対等でいたいです」 「生意気言ってんじゃねぇよ」 「わかってます。でも」 「……考えとく」  即断即決の神坂にしては珍しい言葉だった。佐川が頭を上げると、神坂は腕組みを解き、佐川に向かって手を出した。佐川は何も考えずにその手を握った。  神坂はギョッとした顔をして、見る見るうちに真っ赤になって、バカじゃないの!?と叫んだ。 「鞄だよ!何やってんの!?」 「なんだ、鞄ですか」 「そうだよ!て、て、手!手を離せ!」 「はい」  佐川は仕方なく彼の手を解放し、大事に抱いていた鞄を神坂に差し出す。神坂はまだ赤い顔をしたままで、何事かをブツブツ言いながら、奪い取るように鞄を受け取った。  佐川はそんな彼をじっと見つめる。 「なに見てんだ、バカ!」 「……いえ」 「お、お前!今日から住むのかっ」 「いいですか?」 「好きにすれば!?部屋余ってるしっ」  神坂は重たい鞄からバタバタと何かを掴み出し、ノールックで佐川に投げつけた。大きく外れたそれを、腕を伸ばして肩の近くで受け止めれば、見慣れた合鍵だ。佐川のつけていた、プロテインのオマケのキーホルダーもそのままだった。 「ありがとうございます。でも、できればモノは投げないでください。せめてこっち向いて投げてください」 「うっさいな!とっとと寝ろ!」 「風呂、先にどうぞ」 「当たり前だ!僕は仕事して帰って来てるんだから!」 「俺が言えた義理じゃないですけど、ちゃんとあったまってください」 「マジ全力でお前が言えた義理じゃない!」 「神坂さんが、もっと早く声かけてくれてれば、寒い思いなんかさせなかったのに」 「まさかの逆ギレかよ!」  神坂はギャーギャー騒ぎながら、戸口のそばに立つ佐川を押しのけると、隣にある書斎へ入って行った。遠慮をなくした佐川は、しれっとその後を追う。  神坂は重たい鞄をデスクに載せているところだった。 「この部屋も、掃除していいですか」 「勝手にしろ」  普段通り不機嫌そうで偉そうな低い声で、神坂はまた佐川を押しのけて、ポッフポッフと足音高くバスルームへ行ってしまった。  残された佐川は、こちらも初めて入った書斎をぐるりと見回し、そっと扉を閉めた。  神坂とまた暮らせる。  佐川にとってそれはとても嬉しいことで、顔には出ていないけれど、踊り出しそうに喜んでいた。  善は急げと言わんばかりに、佐川は神坂の家を飛び出して、エントランスに放置していたマウンテンバイクに跨ると、仮住まいのマンスリーマンションへ戻り、少ない荷物をまとめて担ぎ、部屋の契約が明日切れることを運命のように思い出しながら、狭く味気ない部屋を後にした。  大事な合鍵を使って神坂の家に戻ると、彼が暖かそうなふかふかした素材の上下を着て、リビングの入り口に立っていた。手に持ったタオルはずるりと床に引きづり、呆然としているようにさえ見える。  様子のおかしさに、佐川は躊躇いがちに、背後からそっと声をかけた。 「神坂さん?」  背中がビクリと震えて、神坂がゆっくり振り返る。その顔を見て、佐川は慌てて持っていた荷物を放り出して、彼に近づいた。ガシャンバサバサと荷が崩れる音が響く中、神坂は目を泳がせて、口元に手をやり俯いた。 「すみません。荷物を取りに行ってました。神坂さんが風呂入ってる間にって思っちゃって。黙って行ってすみません」 「……ああ」 「すみません。何処かへ行く時は、ちゃんと言ってからにします。こんなことは、もうしません」 「……うん」 「はい。もう、しません」  神坂の目には強さが戻り、ジロリと佐川を見上げると、さっさと風呂に入って寝ろと言った。  佐川は頷き、バーベルをはじめとした荷物を担いで自室へ持ち込む。神坂は何故かそれについてきた。ちょうどいい、と佐川は思って、懐かしく思う部屋に荷物をおろすと、彼の正面に立つ。神坂は腕組みをして、それを見上げた。 「神坂さん、名前教えてください」 「……」 「嫌ですか?」 「しおり」 「しおり」 「史織だ。悪いか」 「全然。マリより、ずっといい名前です。神坂さんによく似合う」 「女みたいな名前をつけるから、こんなんになったんだ」 「いい名前です。ますます、マリの由来がわかりません」 「匍匐前進とナンパが得意なクラゲの名前だ」 「……へぇー……」 「知らないのか?何年か前に流行っただろう。関西の方の水族館に展示されてる」 「すみません。知りません。今度一緒に見に行きましょう」 「……うん」 「湯冷めしないうちに、寝てください」 「うん」 「また置いてくれて、ありがとうございます。明日はお休みですか?」 「仕事に行く」 「わかりました。おやすみなさい、史織くん」 「おやすみ」  神坂は何故か納得したような顔で頷き、佐川の部屋を出ていった。  佐川は一月ぶりに戻ってきた部屋を見渡し、大きなベッドと大きな鏡を懐かしく撫でて、趣味に付き合わない代わりに家事を頑張ろうとこころに決める。そして、明日は家中の掃除をして買いものに行って、神坂の帰りを待とうと思った。話したいことはたくさんあるのだから。

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