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第3話
「出前で悪いね」
「いえ、とんでもないです。ごちそうさまでした」
太一はいつもここで昼ご飯を食べるらしいけど、僕は久志さんと一緒にお昼を食べたことはなかった。もう頼んじゃったよと笑う久志さんと向かい合って食べる食事は、緊張し過ぎて味もよくわからなかった。
「問題集、進んだ?」
「はい。ひとつわかると、結構次々理解できるって言うか」
「悟君は、基本ができてるからね」
「いえ、そんな」
どれどれ?と、久志さんはそう言いながら僕の隣に来て、広げたままの問題集を覗き込む。あぐらをかくお互いの膝がぶつかるほど、近い。心臓がバクバクとうるさく暴れだす。
「すごいね。全部できてる」
「……あ、うん」
「教え甲斐があるなぁ」
「!」
するんと、久志さんの大きな手が僕の膝を撫でた。僕は驚いてビクリと身体を強張らせる。ヤバイ。収まっていた股間のものが兆しはじめる。
「あ、の」
「悟君、顔赤いね」
「……勉強以外も、教えてくれない?」
「……例えば?」
混乱と焦りの中で、今日この瞬間を逃せば後悔するような気がした。僕は頭に血が上った状態でひどく汗をかきながら、緊張を通り越してぶっ倒れそうな気分で久志さんをみつめた。
久志さんは目じりを下げて、いつものように笑う。その笑顔が綺麗すぎて、惹かれるように僕は彼の胸倉を掴み、生まれてはじめてキスをした。
「悟君……」
「僕、あの!」
「うん?」
「……久志さんが、好き、です!」
「そっか。嬉しいな……両想いだ」
僕は頭が真っ白になって、無我夢中で久志さんに抱きついた。去年まで陸上部で鍛えていた僕よりも、久志さんは華奢だった。
「悟君、苦しい、よ」
「ごめん、なさ……でも僕、どうしていいか」
「こういうこと、初めて?」
「……はぃ……」
僕は恥ずかしくて顔が上げられなかった。クラスメイトの半分くらいはもう経験済みだ。残りやつらだってこの夏休みの間にって張り切っていた。だから自分が遅れているという自覚はあった。
以前何人かに付き合って欲しいと言われたけれど、結局どの子とも登下校を一緒にしたぐらいで自然消滅していた。
きっと久志さんが運命の人なんだ。
「いいの?俺が初めての相手で」
「久志さんがいいです」
「そっか。じゃあ、……エッチなこと、教えちゃおうかな」
「うん。エッチ、しよ」
久志さんはしがみつく僕をベッドルームへ連れていってくれた。そこでの行為は想像を絶する気持ちよさだった。暴走しそうになる僕を久志さんは優しく導いてくれて、こうすると気持ちいいからしてくれる?と、その身体のあちこちを触らせてくれた。僕が頑張れば、上手だよと褒めてくれて、時々甘いため息を吐き出す。
「悟……ん……もっと、舐めて」
「ん……ん……ぁむ……ここ?ね、ここ?」
「あ、そう……!指、もっと、動かして……」
「久志のここ、なに?すっげぇ柔らかい……なんで?」
「悟の、いれたいから……あっ!ん!」
「そうなんだ?痛くないの?こんなとこに、いれられて」
「もっとジェル足して……指で、拡げて……」
ベッドの上で素っ裸で、膝を立てて股を開く久志はそれだけでイキそうになるほどエロい。僕は彼に言われた通り、後ろの孔を指で弄りながら彼のペニスをしゃぶっている。全然抵抗なくできてしまう。やっぱり僕は久志と愛し合う運命なんだ。
「久志……僕、もう」
「ん……?ああ、すっごいね」
「うん」
圧し掛かるように久志に抱きついて、僕はギンギンになった自分のちんこを彼の尻や太ももに押し付けた。垂れまくっている先走りを塗りつけるように、自分のものだとマーキングするように。
「じゃあ、ゴムつけて」
「え……そうなの?」
「そうだよ。マナーなの」
「そう……」
「俺がつけてあげるよ」
久志は笑いながらコンドームのパッケージを破り、よいしょと起き上がって僕にゴムを被せてくれた。できればこんなもの、つけずにやりたいのに。
「悟の、大きいね……形もいい」
「そう?久志は……?大きいの好き……?」
「ふふふ……困った子だね。そんなこと、聞くもんじゃないよ」
ゴム越しに久志の大きな手が僕のを握って、軽く擦られる。それだけでもうビクビクする。僕は腹に力を入れて必死に快感を堪えた。荒く大きな呼吸を繰り返す。
「いいの?悟」
「いい……早く、しよ」
「じゃあ、貰っちゃうね。悟の童貞」
「うん。久志、好きだよ」
「俺も、悟が好き」
トンッと両肩を押されて僕はベッドに仰向けになった。久志は僕を跨ぎ、ちゃんと見てなよ、と笑いながら、自分で僕のを後ろに宛がってゆっくりと腰を降ろした。壮絶と言ってもいいほどの快感が、下半身を溶かす。
「あ……あ……すげ……!」
「はぁ……やっぱり、悟の、おおきいよ……」
「すげ……あ、すげぇ……」
「気持ちいい?」
「やばい……っ!」
自分の身体の一部が他人の身体の狭い場所に侵入していく。その感覚はものすごい快感と僅かな罪悪感を与えた。僕は情けなく震えて、久志が何度か腰を上下させただけで射精してしまった。
「ごめ、ごめん!僕」
「いっちゃったね……気持ちよかった?俺の中」
「天国……」
大げさだなと久志は俺の上から退きながら笑っているけれど、本当に天国のような射精だった。
「待って……はい、いいよ」
久志は俺のコンドームまで始末してくれた。身体を起こして久志の股間を見れば、半分立ち上がった状態だ。僕のも、そうだった。
「もう一回、したい」
「元気だなぁ、高校生くん」
「だって、久志、出してないじゃん」
「うん。じゃあ、早く硬くしてよ」
久志はそう言って、僕のを咥えてくれた。ゆっくりと頭を上下させながら僕の方をチラリと見上げる。そして、髪を耳に掛ける。僕はあっという間に回復して、久志はずるりとそれを口から出した。
「あは。すごい……いれて」
「ナマがいい」
「ダメだよ」
「ね、お願い……いいでしょ?妊娠しないじゃん」
「そういう問題じゃないんだよ」
「お願い、久志……ね?お願い……ナマでしたい」
僕は久志を抱き締めてベッドに押し倒して、お願い、と繰り返しながら乱暴に覚えたてのキスをした。久志は結局折れてくれて、僕は久志の膝をベッドに押し付けるように脚を割り開き、覚えたての行為に及んだ。
つまりきっと、僕のキスもセックスも最低の出来だっただろうということだ。
「あ……やっぱ、すげ……ナマ、さいこ……」
「あ、悟、待って、深いよ。そう……もうちょっと手前……ん!」
「奥までガンガン突いてもいい?」
「だめ……そうすると、痛いから……ね?」
「ん、わかった。こう?」
「あー……!い、それ、いい、悟、いい、そこ……!」
「柔らけぇ……久志のおけつ、エロくて、熱い」
「悟のも、エロくて熱いよ……たまんない」
「ほんと?久志……久志、僕のセックス、気持ちいい?」
「ん、いい。ここ、擦って……キスして……!」
僕は必死で久志の言うことを実行した。久志のチンコを擦りながらキスをして、気持ちいいと言われる場所に何度もチンコをこすりつける。最後は切羽詰っちゃって乱暴にしてしまったけれど、僕が中で出すと久志の孔が締まって、思わず声が出るほど気持ちよかった。もちろんちゃんと久志もイカせてあげた。
僕たちは夜までそうやって愛し合った。僕にとっては最高の恋人ができた日。何回出したかわからないほどイキまくった。久志にも何度もフェラをしたし手コキした。
たった半日で、僕はすっかり大人の男になった気がした。
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