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第2話

舌は再び雫の秘所を犯しはじめた。 熱く、ぬめりを帯びたいきものが自分の体に侵入してくるような感覚だった。 痺れとも疼きともつかない波が寄せてはかえし、雫の体の中心を駆け上がり、 頭の芯を揺さぶる。 微かな快感が下半身を支配し始めて、熱っぽい息をは・・と吐き出したとき、 今度は鋭い痛みが体を走って、雫は喉の奥だけで唸った。 暗がりで、何をされているかわからない不安が痛みを増幅させる。 「いっ・・・。」痛い。何。 くちゅ、と時折音がする。 擦れるような鋭い痛みが少しづつ痺れのような感覚に変わって行く。 は・・・。息を吐いて、腹の力を抜いた時にぐいっとなにかが体に入って来た。 「んっ。」 背中が弓のようにしなる。 雫のなかに侵入してきたものは、粘膜をかきまわすように蠢いて、彼の体を震えさせた。 経験したことのない疼きが、脳をしびれさせる。 ぴくりと局部を痙攣させて、続く刺激を受け止めた。 「ふん。」はじめて満足そうな声がしたと思うと、体の中のものが引き抜かれた。 全身から脱力して、ベッドにつっぷした雫に、主はおもむろにのしかかった。 「まだ終わってない。今までのは余興だ。」 「もう・・・イヤ・・・だ・・。」 「ふん・・・、指2本でもう泣き言?」 再び腰を引き上げられた。秘所に圧力がかかった。 熾火が押し付けられた感覚がして逃げようとすると、顎を掴まれて口を開かされた。 口腔に指が押し入ってきて、舌を掴まれる。 そちらに気をとられた瞬間、股間に衝撃が走った。 さっきより大きく固いものにこじあけられる。 「ああっ!」舌を掴まれたまま声をあげた。 さらに口のなかに指が押し入って来た。下半身にも圧がかかる。 暗がりのなかでも、もうさすがに雫も理解していた。自分がなにをされているか。 上からも下からも浸食されてゆく体。 両親を不慮の事故で亡くし身寄りのなくなった雫に、父かたの親戚が話を持って来た。 さる資産家の一人息子が、視力をなくし不遇をかこっている。 話相手として同世代の男子を探しているらしい。 寝食の心配なく、教育も受けさせるが、なにぶん偏屈な子息なので忍耐は必要である、 とのことだった。 自分の主となる灯真(とうま)は2つ年上の、うつくしい少年だった。 生まれつき色素が薄いのだと聞かされた。白銀の髪と白磁の肌。 血のように紅い瞳は、名前とうらはらに光を宿していなかった。 薄倖そうな笑みを浮かべる少年をはじめてみたとき、そのあまりの儚さに、 雫は自分が全力で守ってやりたいとさえ感じたのだ。 今朝、「今夜、部屋に来い。」と呼ばれた。 そして。儚げな美少年だと思っていた主に、雫の体は陵辱されていた。

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