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第48話
久しぶりの灯真は激しかった。
自分の部屋と違って、動くたびに耳障りな悲鳴をあげるベッドも、
かえって興奮を煽ったのかもしれない。
噛み付くようなキス。
荒々しい愛撫。
最初のうちはとまどっていた雫も、時間がたつにつれて興奮をおさえられなくなってきた。
愛おしいひとの、ひさしぶりの肌。
唇でその感触をたしかめるようにキスを繰り返す。
性急に雫のなかに入ろうとする灯真。
「灯真さん、もっとゆっくり・・・。」
いいかけて彼の呼吸がずいぶん荒いのに気付く。
灯真のあいかわらず華奢な体は、
筋肉がついて体の大きくなった雫を、少し持て余しているようにも思えた。
「あっ・・・・ん!」
ねじこむように入って来る。
はあ、はあ。雫にしがみつくようにして息をつく灯真の汗を指でぬぐった。
いつも受け身でいる自分を、歯がゆく思う気持ちが芽生える。
自分ばかり与えられているような気持ちになる。
自分も与えたい。いや、少し違う。そうじゃない。
僕は・・・灯真さんが欲しいんだ。僕の知らない灯真さんも。
全部 欲しい。
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