48 / 72

第48話

久しぶりの灯真は激しかった。 自分の部屋と違って、動くたびに耳障りな悲鳴をあげるベッドも、 かえって興奮を煽ったのかもしれない。 噛み付くようなキス。 荒々しい愛撫。 最初のうちはとまどっていた雫も、時間がたつにつれて興奮をおさえられなくなってきた。 愛おしいひとの、ひさしぶりの肌。 唇でその感触をたしかめるようにキスを繰り返す。 性急に雫のなかに入ろうとする灯真。 「灯真さん、もっとゆっくり・・・。」 いいかけて彼の呼吸がずいぶん荒いのに気付く。 灯真のあいかわらず華奢な体は、 筋肉がついて体の大きくなった雫を、少し持て余しているようにも思えた。 「あっ・・・・ん!」 ねじこむように入って来る。 はあ、はあ。雫にしがみつくようにして息をつく灯真の汗を指でぬぐった。 いつも受け身でいる自分を、歯がゆく思う気持ちが芽生える。 自分ばかり与えられているような気持ちになる。 自分も与えたい。いや、少し違う。そうじゃない。 僕は・・・灯真さんが欲しいんだ。僕の知らない灯真さんも。 全部   欲しい。

ともだちにシェアしよう!