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第49話

雫のなかで果てた灯真は、ぱたりと脱力して、ベッドに倒れ臥した。 まだ呼吸が乱れている。 「大丈夫?少し眠る?」 少しなら時間がとれそうだ。 「いやだ。もっとしたい。」灯真が駄々をこねる。 「もっと?」 「うん、もっと・・・。でも・・でもちょっと休憩。疲れた。」 雫はうつぶせの灯真の髪を指で梳きながら冷たい肩にキスした。 そして腕をまわして灯真の頭を胸にそっと抱いた。 「ねえ、今度は・・・僕・・・からしてもいい?」 「ん?」 「僕が灯真さんを抱いてもいい?」 まだ意味がわからずに首をかしげる灯真の臀部を、すっとなでた。 「一度だけ、一度だけでいいから、灯真さんの中に入りたい。」 「えっ。」びくりと腰がひけた。 「だめかな。」 「ん・・・・。」 灯真は雫の胸に額をつけて黙り込んだ。 ああ、やっぱりいきなりこんなこと。だめだよね。 怒らせちゃったかな。雫はドキドキしながら灯真の髪をなでた。 「急にごめんなさい。でも・・・。僕も。僕も灯真さんが欲しい。   お願い。今日だけ。」 「・・・・・・。」 もう雫とは寝ないって言われるだろうか。そしたらどうしよう。 「・・・・・痛く・・・しない?」 しばらくして灯真の口から出たおびえたような声に驚いた。 一蹴されると思ってたのに。 「しない。そっとする。」 「でもやっぱり途中でいやだっていうかも。」 「そしたらやめる。」 「ほんと?」 「うん。」 「・・・・・・。」 雫は灯真を抱いたまま体をずらして、そっと体勢を替えた。 下に組み敷かれる形になった灯真が、微かに怯えのいろを顔に浮かべる。 「怖がらないで。灯真さん、好き。灯真さんの全部が欲しい。」 耳元でそっと囁いて唇を重ねる。ねっとりと舌を絡めて深いキスをかわす。 「いい?」また囁くと、頬を紅潮させた灯真がちいさく頷いた。 手を握って、首筋から胸へ、唇を這わせる。 胸の突起を舌で転がすように愛撫して「どう?」と尋ねると、 「ん・・・。よくわからない・・・。」と抑えた声がかえってきた。 が、雫の指が、つと腰骨のあたりに触れると、微かな喘ぎが漏れた。 体を下げて両手で骨盤を抱くようにして腰骨の突起に唇をつけると、 体がびくんと震えた。敏感な場所に愛撫とキスを繰り返すたび、 灯真の下半身が緩んでくるのがわかる。 その一方で、さっき果てたばかりなのに体の中心は固く反応していた。 腰が揺れている。 さらに頭をさげて灯真のふともものあいだに顔を埋める。 両手で押し開くように脚を開かせると、「や・・・・。」と抵抗があった。

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