「しずく・・・恥ずかしい・・・。やだ・・。」 ごめん、灯真さん。聞こえないふりをした。唇を灯真の中心に強く押しあてた。 「やっ！あっ。しずく！やめ・・・・ん！」 ぐっと舌先に力を込めて初めての場所にねじこむように入れる。 「あっ」悲鳴のような高い声。こんな声、はじめて聞いた。 少し感動しながら顔を離す。 「やめる？灯真さん。」 「えっ・・・・、あ・・・。」はあっ、と息を吐きながら逡巡する。 「続けていい？」 「・・・・。」返事がないのを承諾と解釈した。 ふたたび灯真の中に没頭する。 「あっ・・・・。」少し艶をおびた声を心地よく聞きながら、 充分に潤わせた場所に指を差し入れた。また体がびくんと跳ねた。 どこをどうすれば気持ちいいのか、自分の体がよく知っている。 ゆっくりと灯真の反応をみながら指を引き、また押し込め、関節を曲げる。 「あっ・・・・うん！んっ・・・・！」 そのたびに腰をくねらせる灯真の姿がこのうえなく色っぽくて、 もうそれだけで雫は胸がいっぱいになった。 「灯真さん、すごく綺麗だよ。」 「そんなこと・・・んっ！・・・・。しず・・・。」 自分の指の動きで、灯真が乱れている。今までとはすこし違った官能が 雫を包み込んでいた。 「灯真さんの中・・・やわらかい。あったかくて。」 「んっ・・・。はっ。あ・・・」 灯真がなにか言いたそうに手を伸ばして来た。 片手を灯真の中に置いたまま、もう片方の腕で灯真の頭を抱いて 顔を寄せた。 「しずくの・・・ん・・・。しずくもそうだ・・・よ・・。」 雫の体にしがみつくようにして、灯真がそう言った。 「灯真さん。」また思わず深く口づける。ああ、ほんとうに、欲しい。全部。 「全部ちょうだい。僕に。」雫の言葉に、灯真は焦点の合わない瞳で微笑んだ。 「もう・・ずっと前から・・・、僕はお前のものだよ・・・。」 「！」思いがけない言葉に胸が詰まった。愛しさがこみ上げる。 「入ってもいい？」泣きそうになりながら聞いた。 「うん・・・。」 さっきから淫微な音をたてている灯真から指を引き抜くと、膝裏を肩で押して高く持ち上げ る。すでに充分潤っている自分の先端を、あらわになった灯真にあてがう。 「灯真さん、息、吸って。いっぱい。」 素直に胸を膨らませる灯真に、「吐いて。ゆっくり。大きく。」 はああ、という呼吸音とともに、自分をねじ込ませた。 とたんに呼気がひくっと止まり、雫は押し戻される。しずかに繰り返す。 「息、吐いて。」浅くて早い呼吸が、ゆっくり落ち着くまで辛抱強く待つ。 じりじりと、少しづつ、灯真の中に入って行く。 つっ、と灯真の目尻から涙が流れた。