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家に帰って風呂に入る。
服を脱ぐたび、鏡に映る俺がブラジャーをしていることへの違和感と気持ち悪さが俺を惨 めにした。
男でブラジャーを着ける奴なんて大抵変人しかいないようで、俺のように何か悩みがあって着ける人はスポブラみたいな地味なやつを着けるんだと思う。
俺もそうしようと思っていた。
でも地味なブラジャーはこぞって売り切れで、俺が買ったのはセクシーなやつ…。
似合わない上に、たいして吸収性もなくて、結局インナーまで乳首の部分だけ濡れる始末だ。
「本当、何なんだよこれ……。」
いつの間に出ているのか、濡れた後しか見たことなくて分泌される瞬間に未だ立ち会えていなかった。
ブラジャーを外して乳首を指で弾くと、その刺激で白い何かが滲み出た。
「は……?」
まさかな。
いや、俺の目がおかしくなったんだ。
確認のために乳首をギュッと抓 ると、プシュッと乳頭 から白濁が飛び出た。
「嘘だろ………?」
刺激を与えてしまったからか、たらりと垂れる白い何か。
おかしい。
絶対におかしい。
これってまさか、本当に……。
俺はそれを指に掬 って、おそるおそる舐めた。
「…………ミルクの味だ。」
あり得ないと思っていた。
涼真に言われて馬鹿にした。
なんで?
女じゃないのに、何で俺の乳首から母乳が出るんだよ?!
え、俺って実は女だったのか??
そんなわけないよな??
怯えながら下を見ると立派な男の象徴。
「よかった…、付いてる………。」
って、よくない!!
男なのは百も承知だ。
問題なのは、何で男の俺から母乳が出るかってことなんだよ!!
こんなの恥ずかしくて医者にも行けないし、ましてや城崎にだって相談したくない。
城崎は男が好きなんだから、俺から母乳なんか出たら…。
でも…、もしかしたら喜んでくれるのか?
数日前の城崎の言葉を思い出す。
『そのうちここからミルクも出せるんじゃないですか?』
城崎……、俺の母乳飲みたいかな……?
それとも気持ち悪がるかな……。
もし喜んでくれるなら、城崎に相談してみてもいいのかもしれない。
「どうやってリサーチしよう…。」
俺は素っ裸で頭を抱えた。
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