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数駅通り過ぎ、夜にはネオン街になる治安の悪い駅で降りる。
女は怪訝 な顔をしながら、でも俺に繋がれた手を離そうとはしなかった。
「いいの?」
「…………?」
「このままだと、ホテル連れて行くけど。」
駅から見える、どこからどうみてもそういうことをするために作られたであろうファンシーなホテルを指差す。
女は顔を赤らめて、行きたそうな顔してるくせに答えを渋った。
「まぁとりあえず、確かめたいことあるからついてきて。」
「…っ!」
グイッと腕を引くと、簡単によろけた。
男と女の力の差だ。
さっき示したラブホのエントランスで適当に部屋を選び、そこに女を連れ込んだ。
さっき見たのが見間違いじゃないか確認するため、もう一度首筋に顔を近付ける。
やっぱり、ある。
「ねぇ、お姉さんって先輩とどーゆー関係?」
「…………っ」
そう尋ねると、女は黙った。
何か喋らせたいな。
確信を得られない状況に少し焦ってしまう。
「ちなみに俺、先輩の恋人なんだけど。」
「…………」
「お姉さんのこと、気になってきちゃった。」
上の服を脱ぎ、半裸になる。
ベッドに押し倒し、女に返答を迫る。
女は俺と目を合わせようとはせず、自分の唇を触った。
あぁ、これは……。
「んっ……!」
自分でも思うけど、かなり賭 けだ。
女の唇を奪い、舌を絡める。
「んっ!んんっ…!んぅっ…!!」
「………はっ…」
よかった。
キスして確信した。
「な……んで……っ!」
「何が?」
「こ……、恋人…、いるんでしょ……?」
「うん。いるよ?」
「だったら何で……!」
目に涙を溜めて俺を拒む。
なんでって、そりゃ……。
「お姉さんが俺の恋人だから…?」
「…!!!」
「そうでしょ、先輩?」
俺がそう言うと、女の姿をした先輩は驚いた顔をして、へなへなと床に崩れた。
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