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誰がなんと言おうと、この人は望月綾人だ。
一体何がどうなって女の体になったのかは知らないが、男であるはずの俺の恋人だ。
「な…んで……?」
「いや、こっちのセリフ。」
「いつから気づいてた…?」
「ん〜。電車乗る前に壁ドンした時になんとなく?」
あのホクロに気づいた時、まさかとは思ったけど、ほぼ確信に近かった。
まぁ、その後の反応とか。
先輩だと思うと全部辻褄が合ったというか。
あと最後の決め手は……。
「キスの舌遣い。あと、キスしたい時の仕草かな〜。」
「………?」
「知りませんでした?先輩、キスしたい時自分の唇触る癖あるんですよ。」
「えっ…」
「それで確信した。先輩が半裸の俺見て欲情しないわけないですしね〜。」
「だ、だから脱いだのか?」
「うん。」
顔真っ赤にして可愛い。
プシューっという効果音が似合うくらい茹蛸 みたいに真っ赤な顔をして、城崎は俯いた。
それにしても綺麗だな…。
顔も小さいし、美人だし、女性の割に程よく筋肉も付いてて、あと胸でかい。
元が良いと異性化しても恵まれるのか。
「先輩、胸大きいね。」
「ば、馬鹿!うるさいっ!!」
「触ってもいい?」
「や、ダメっ!やぁっ…!!」
服越しに手を当てると、ふにゃっと俺の手の形に合わせて形が崩れる。
おっぱいなんて久々に触ったな…。
「だ、ダメって言ったのに…!ぁっ…、やっ、あんっ!」
「何でダメ?すごい感じてるけど。」
「だ、だってぇ…、城崎がおっぱい好きになっちゃったら、俺捨てられちゃう……」
先輩はグズグズ泣き出した。
いや……、可愛すぎでしょ。
俺がおっぱいの魅力に気づいて、女に乗り換えちゃうかもって心配してるの?
「そんなわけないじゃん。」
「んっぁ…、あっ、城崎っ……」
「先輩って分かってるから可愛いんじゃん。俺、同性愛者って自覚してから女に勃ったことねーし。」
「はっぁ…、ぁあっ、そこダメっ、城崎っ!」
「陥没乳首もそのままじゃん。これどうやって取り出すの?」
いつもみたいにほじくり出そうとしても、胸が柔らかくて周りも一緒に沈んでいく。
乳首吸引器とか使わないと無理そうだな、これ。
乳首出てなくてこんなに感じてんなら、これ出してあげて可愛がってやったら相当ヤバいんだろうな。
てか待って。
俺、普通に勃ってんだけど…。
先輩が女になったら勃たないかもなんて、超無駄な心配だったな、これは…。
男の先輩じゃなく、望月綾人という人自体に惚れてしまっている自覚をして、我ながら好きすぎるだろと思わず笑ってしまった。
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