45 / 128

4-10

「次、城崎読んで。」 「はーい。」 「ひっ……!」 小芝の次は城崎。 仕方なく指名すると、返事とは反対にローターの刺激は強くなった。 ヤバ…。立ってるの、ツラい……。 「センセー、ここ読めない。」 「ど……、どこ……?」 「こっち来てよ。言葉じゃ説明できない。意味不明な漢字ばっかりだし。」 「ま、待って……。」 お尻の穴を締めて、小股で少しずつ城崎の席へ向かう。 この時間が、とても長く感じる。 城崎の席は一番後ろで、普段なら大したことない距離なのに、すごく遠く感じて…。 俺はじっとりと脂汗を流し、やっとの思いで城崎の席にたどり着く。 「ど、どこ……?」 「ここ。」 「ふっ…ぁああっ……♡」 城崎の教科書を覗き込んだ瞬間、今までの比にならない振動が俺を襲った。 俺はその場で崩れ落ち、城崎の机に突っ伏した。 「え!望月先生?!」 「先生、大丈夫?!」 「体調悪いの?!」 生徒がバタバタと駆け寄ってきている。 どうしよ…。どうしたらいい…? 泣きそうになりながら、目の前にいる城崎に助けを求める。 キュッと制服の裾を握ると、するりと手を撫でられた。 「センセー体調悪いみたいだから、保健室連れてってくる。」 「え?城崎が?」 「誰か他の先生呼んだほうが良くない??」 教室内が騒つく。 無理…。呼ばれたら俺……。 「俺でもいいよね?センセー。」 「……うん。」 「てことで。センセー、この後自習でいい?」 首を縦に振ると、城崎は俺をお姫様抱っこして、「じゃあ、みんな自習で。」と言い残して教室を去った。 教室からは女子の黄色い声や、男子が自習で喜ぶ声が聞こえてくる。 俺は荒い呼吸をしながら、城崎のシャツを握る。 「はっ…ぁ、城崎っ、城崎…っ」 「まだ廊下だから大人しくしてて。あぁ、ローターの電源切るの忘れてた。」 「あぁっ♡♡」 「間違えて強弱のボタン押しちゃった。ごめんね?」 わざとだ……。 ニヤニヤした顔で俺を見下ろす城崎を見て、そう確信する。 「も……、やめてぇ……。」 「うん。これ以上綾センセーが喘いだら、さすがにヤバいからやめる。」 「ばかぁ……」 「センセーが可愛いのが悪いでしょ。」 やっと国語準備室に着いたようで、俺を机の上に横たわらせて、城崎は扉の鍵を閉めに俺から離れた。

ともだちにシェアしよう!