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涙でぼやける視界に、城崎が映る。 快感で震える身体で必死に手を伸ばすと、城崎は俺を抱きしめて唇を重ねた。 「綾センセー、可愛い。」 「……ふっ、ぅ……、城崎…っ…」 「よしよし。怖かったね。」 (なだ)めるように頭を撫でながら、何度も触れるだけの口づけを落とす。 危険な目に合わせたのは城崎なのに、なんだか城崎に助けられた気分だ。 「城崎…、とってぇ……」 「自分で出して?」 「なんで…っ」 「センセーならできるでしょ?」 挑発するような城崎の顔。 お尻に手を持っていこうとすると、その手を掴まれる。 「お尻の力だけで出してみて?」 「や…、む、無理…っ」 「できたらご褒美あげるから。」 「ごほーび…?」 「うん。気持ちいいこと、してあげる。…できるよね?」 「ん…。できる……。」 城崎からのご褒美が欲しくて、俺は手を机について、ふっ…とお腹に力を入れる。 こういうのって、どうすればいいの? 大を出す時……みたいな感じ? む、無理……。恥ずかしい…! 「センセー、こっちにお尻向けてよ。」 「や、やだ…っ」 「お願い。ご褒美、欲しいんだよね?」 「うぅ……」 ただでさえ恥ずかしいのに、こんなの…。 おずおずと城崎に尻を向けて、ゆっくりお腹に力をかける。 「そーそー。上手だよ、綾センセ。」 「……っ…」 「あ、ちょっと見えてきた。」 「…ひっ!!」 「あーあ。引っ込んじゃった。」 あと少し。 排便する時のような感覚があって、もう出るんだと油断した瞬間、ローターが震え出して思わず腹圧を緩める。 また中に戻ってしまって、最初からやり直しだ。 「な、なんでぇ……」 「綾センセーが気張ってるの、可愛いんだもん。」 「意地悪……っ」 「俺に意地悪されんの、嫌いじゃないでしょ?」 城崎は笑いながら俺のお尻をツンツンと指で突く。 学生の城崎、ドSじゃん…。 今の城崎は…、すげぇ優しいのに……。 でも、城崎の意地悪にめちゃくちゃ感じてる俺がいて、もう意味わかんなくて…。 「俺……、Mじゃないのにぃ……」 「え、どこが?どう考えてもドMでしょ。」 「違うもん……っ」 「俺の意地悪に感じてる時点でMであることは間違いないと思うけど。」 城崎にそう言われ、認めたくなかった事実を認めるしかなくなってしまった。

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