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「お〜。あとちょっと。センセー頑張れ〜。」 「ふっ…、ぁっあっ…♡」 「あら〜。また戻っちゃった。」 「も…、止めてぇ……」 「泣いてるセンセー可愛いんだもん。ほら、早くしなきゃ。あと30分でセンセー次の授業始まっちゃうよ?」 2限は空きコマだったのに、ローターを出すのにどれだけ時間を使ってるんだろう。 もう腹圧をかけるのにも、喘ぐのにも、快感に耐えるのにも、全部に力を使ってしまって、体力なんて残っていない。 あと少しのところまで何度も出してるのに、その度に城崎がローターのスイッチを入れて俺を(もてあそ)ぶ。 「もう一回、頑張ってみて?」 「も……、もぉツラい……」 「あと一回頑張ったら、良いことあるかもよ?」 「ふっ、ぅ……!」 最後の力を振り絞って腹圧をかけると、今までならローターの電源が入って逆戻りのところ、何も起こらず、コロン…とローターが俺のお尻から転がり落ちた。 「あ。出た出た。」 「は…ぁ……っ、はぁ……」 「綾センセ、お疲れ様♡」 「も……無理………」 息も絶え絶えで、横たわってはくはくと呼吸する。 城崎は汗でびっしょりになった俺の前髪に指を絡めて遊ぶ。 「綾センセー、もう今日は授業できないんじゃない?」 「はっ…ぁ……、は……」 「こんなびっしょりで、下もぐちゃぐちゃだし。というか、こんな顔で人前に立つとか俺が許せないし。」 城崎はスマホのカメラを起動して俺を撮り、そして画面を俺に見せる。 ………なんて顔してるんだ。 俺は顔を赤くして、口角から涎を垂らして、物欲しそうな目でカメラの先にいる城崎を見つめていた。 「帰ろ?センセ。」 「ど、どこに……?」 「綾センセーのお家。今日泊まってもいい?」 「…………」 「こんなセンセー見たら、みんな帰れって言うでしょ。ほら、エロい顔やめて。表情さえ変えたら熱出した病人に見えるから。」 無茶言うなよ…。 誰のせいでこんなことになってると……。 「俺のせい、みたいな顔で見ないでくれる?」 「……っ!」 「エロいのはセンセーでしょ。俺のせいじゃないよ。」 「な…んなの…っ?」 「まぁ俺、エロい綾センセー大好きだけど。」 「っ…!!」 そんなこと言われたら、エロいままでいたいし。 城崎に好かれてたい。 現実でも、夢の中でも。 どんな城崎にも、好きって言って欲しい。 「し、城崎……っ」 「ん?」 「家……帰りたい…っ」 「それで?」 「城崎にもっ……、来てほし…ぃ……」 「よくできました。」 城崎は俺の額にチュッとキスをして、窓を開けてから俺の荷物を取りに職員室へ行ってしまった。 結局10分後に他の先生も準備室に駆けつけ、熱だと判断された俺はタクシーを呼ばれてそのまま家に帰された。 準備室、城崎が換気とかしてくれてなかったらバレてただろうな…。 城崎にはメモで住所を渡しておいたから、後で来ると思う。 頼むから、早く来てほしい。 城崎の到着を切に願いながら、俺はソファで毛布にくるまった。

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