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SS4-2
「「かんぱーい♡♡」」
誘われた週末、予定通り合コンは決行された。
左には胸、右にも胸、前には羨ましそうに俺を見る大学の友人。
「まさか城崎くんが来てくれるなんて思わなかったぁ♡」
「今Sコーポレーションで働いてるんだったっけ?すごいねっ!彼女になる人羨ましいなぁ〜?」
「会社でもやっぱりモテるの?」
「でもSコーポレーションってできる男の人ばっかり働いてるイメージ!」
な訳あるか。
普通に女もいるし、俺からすれば先輩以外みんな変わんねーし。
逆に男だけの会社がよかったわ。
いちいち色目使われんのうぜーし。
「ねぇ、城崎くん?あとで二人で抜けない…?♡」
友人が狙ってると言ってた女が、上目遣いに胸を寄せて擦り寄ってきた。
ほら、言ったじゃねぇか。眼中にねーって。
「あー、無理…。」
「えっ…?」
俺もおまえのこと眼中にねーから。
なんて言えたら楽なのにな。
一応友人の面子を立てるために、できるだけ優しく断る。
「このあと仕事の予定があって。」
「えぇ?土曜の夜に?」
「うん。リモートで会議。ごめんね。」
嘘だけど。
あー、早くチケットだけもらって帰りたい…。
「ねー!王様ゲームしませんかぁ?」
「お!いいねいいね!やろー!」
「じゃあ割り箸に番号振っていくねっ!赤色の印ついた人が王様でーす!」
女の子がキャッキャと盛り上がって、変な提案をする。
そしてそれに乗る俺以外の野郎ども。
「なぁ、帰ってもいい?」
「は?!マジで今帰るのはダメだろ。王様ゲームとか、唯一俺があの子と何かあるチャンスじゃん?!」
「こんなんあるとか聞いてねぇって…。」
「頼む!これ終わったら帰っていいから!な?」
チケットはまだ友人の手にある。
クソ……。
ここまで我慢したのにもらえないというのも悔しくて、ため息をつきながら席に着く。
「なんか一緒にできるといいね?♡」
「はぁ……。」
いや、なんなの、これ…。
地獄なんだけど……。
「王様だーれだ!」
「はーい♡俺〜!」
王様を引いたのは主催である友人。
頼む。変なことは言わないでくれ。
「最初だし簡単なお題にしよっか。じゃあ〜……、1番と4番がハグ!」
「4番私だ〜!1番誰〜?」
「「「……………」」」
俺じゃねぇか。
最悪だ。
渋々割り箸を上げると、4番の女は飛び跳ねて喜んでいた。
仕方なく4番の子を雑にハグすると、周りからキャーキャー黄色い声が上がる。
あー……、マジで帰りたい。
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